2025年の最低賃金はいつから?いくら?福岡・九州を中心に実務対応をわかりやすく解説(2025/9/9)
記事のポイント
- 全国加重平均は1,121円(+66円)に上振れ。目安(1,118円、+63円)より増。
- 福岡は1,057円(+65円)で11/16発効予定。九州では熊本(+82円)・大分(+81円)・長崎(+78円)の追い上げが大。
- ランク:福岡=B、その他の九州7県はC。今年はCでも大幅引上げ。
九州8県(+沖縄)の改定額・上げ幅・発効予定
都道府県 | ランク | 改定額 | (旧額) | 上げ幅 | 発効予定日 |
---|---|---|---|---|---|
福岡 | B | 1,057円 | (992円) | +65円 | 2025/11/16 |
佐賀 | C | 1,030円 | (956円) | +74円 | 2025/11/21 |
長崎 | C | 1,031円 | (953円) | +78円 | 2025/12/01 |
熊本 | C | 1,034円 | (952円) | +82円 | 2026/01/01 |
大分 | C | 1,035円 | (954円) | +81円 | 2026/01/01 |
宮崎 | C | 1,023円 | (952円) | +71円 | 2025/11/16 |
鹿児島 | C | 1,026円 | (953円) | +73円 | 2025/11/01 |
沖縄 | C | 1,023円 | (952円) | +71円 | 2025/12/01 |
※ 発効日は予定で、異議申出等により変更される可能性があります。最新の告示をご確認ください。
※ 全国の地域別最低賃金答申状況はこちら
いつから適用?——九州は「11月〜翌年1月」まで分散
例年は10月前後の適用開始ですが、九州は11/1 → 11/16 → 11/21 → 12/1 → 1/1(2026)と段階スタート。複数県に拠点がある企業は、県ごとに切替タイミングのズレに注意してください。
「すぐやる」 実務チェックリスト(福岡・九州版)
人事・賃金
- 賃金テーブル/就業規則の 時間額・端数処理・遡及 を更新
- 対象賃金の判定表を最新版に(手当の除外、派遣は派遣先県で判定)
- 県・拠点別の発効日マップを作り、11/1 → 11/16 → 11/21 → 12/1 → 1/1の切替計画を作成
採用・配置
- 求人票・オファー文言を 県別新額 に即時更新
- ピーク帯集中の シフト再設計、標準作業・ツール導入・多能工化で生産性を底上げ
コスト・価格
- 時間帯別の採算を再計算(人件費比率、深夜帯の見直し)
- 値付け・サービス構成の再設計(セット/サブスク/セルフ等)
- 仕入・物流は共同化や価格交渉の根拠資料を整備
よくある質問
Q. 試用期間なら最低賃金を下回ってOK?
A. 原則NG。やむを得ない場合は減額特例の個別許可が必要。
Q. 交通費や皆勤手当を足せば到達しているが?
A. 到達判定の対象外。基本給・時間給などで最低賃金以上かを比較。
■賃金に含める例
基本給、役職手当、職務手当、技能手当、住宅手当 等
■賃金に含めない例
通勤手当、皆勤手当、精勤手当、固定残業手当、家族手当 等
Q. 派遣の判定は?
A. 派遣先の都道府県額で判定。
2026年以降の見通し(九州の“追い上げ”は続く?)
政府は全国平均1,500円を明確な将来目標に掲げ、地域間格差の縮小も重視。Cランク県の大幅引上げが継続する可能性が高いと見られます。また、最低賃金の上昇はサービス価格を通じて物価を押し上げるとの見方もあり、価格転嫁と生産性向上の両立が鍵になります。
まとめ(九州・福岡の5ポイント)
- 全国平均1,121円、過去最大級の+66円。
- 福岡1,057円(+65)11/16。熊本+82/大分+81などC県の上げ幅が大。
- 発効は11月〜翌1月まで県ごとにズレ。多拠点企業は切替計画を分解。
- 判定は基本賃金のみ。派遣は派遣先県、減額特例は個別許可が前提。
- 政府の1,500円目標を踏まえ、複数年の賃金・価格・生産性戦略を設計。
