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【保存版】知っているようで知らない「賃金台帳」──10項目の記載ポイントを総整理!(2026/2/3)

企業が労働者を雇用する際に避けて通れない業務のひとつに、「賃金台帳の作成と保存」があります。
これは労働基準法第108条で義務付けられており、違反すると罰則もある法定帳簿のひとつです。

ただ、「給与ソフトが自動で作ってくれるから」「明細に出ているから」と油断していませんか?

実は、労基署の調査で最も確認される帳票のひとつが賃金台帳であり、記載漏れ・様式不備・保存期間違反などによって、是正勧告の対象になるケースが後を絶ちません。

今回は、そんな賃金台帳の記載すべき10項目をわかりやすく解説しながら、実務で注意すべき点も整理していきます。


賃金台帳とは?

賃金台帳とは、企業が各労働者に支払った賃金の詳細を記録した帳簿で、以下のような目的で利用されます:

労働者一人ひとりに対して作成し、賃金支払いの都度、記録する必要があり、記録した帳簿は「5年間の保存義務」があります。


賃金台帳の「10の必須記載事項」

では、法律で定められた10項目を順番に解説していきます。


労働者の氏名

当然のことながら、誰の賃金情報かを明確にするために「氏名」を記載します。
氏名が記載されていなければ、個人を特定できず、帳簿として機能しません。

【注意】システムから出力された帳票でも、氏名が略称やコードだけのものはNGです。


性別

男女別の賃金統計や雇用管理上の区分として「性別」の記載が求められています。
給与計算には直接影響しませんが、法定帳簿上の記載事項として義務付けられているため、漏れがあると指摘対象になります。


賃金計算期間

給与は「いつの労働に対するものか」を明確にする必要があります。

例)賃金計算期間:202611日〜131日(支払日:225日)

賃金支払日ではなく、「賃金の計算対象期間」を明示することがポイントです。
月末締め・翌月払い、20日締め・25日払いなど、会社によってルールが異なるため、しっかり記載しましょう。


労働日数

その月に労働者が「出勤した日数」を記録します。

これは労働時間管理や年次有給休暇の管理にも関わる指標となるため、実態と一致している必要があります。
固定給の社員でも、出勤簿と連動させて実際の出勤日数を記録するのが望ましいです。


労働時間数

1か月の「実労働時間の総計」を記載します。

など、賃金の支給根拠となる数値として正確に記録が必要です。


時間外労働時間数

所定労働時間を超えて行った時間外労働(いわゆる残業)の時間数を記録します。

「固定残業制」「みなし残業」の制度がある場合でも、実労働時間を記録しておくことは不可欠です。


深夜労働時間数

午後10時から午前5時までの時間帯に行われた労働時間を指します。
深夜割増(25%以上)の計算根拠になるため、明確な記録が必要です。

【注意】変形労働時間制や交替勤務制を導入している企業では特に見落としやすい項目です。


休日労働時間数

法定休日に行った労働時間を指します(週1日の法定休日以外の勤務は「休日労働」には該当しないこともある)。

こちらも35%以上の割増賃金が発生するため、通常の労働時間とは別に区分して記載する必要があります。


賃金の種類とその額(基本給や手当等)

給与支給額の内訳を明示する項目です。

など、「何を根拠に・どんな項目で・いくら支払ったか」を項目別に記載します。

給与明細と混同されがちですが、賃金台帳には「項目の合算」ではなく、個別記載が必要です。


控除の項目とその額

賃金から差し引いた金額と、その内訳も記載します。

など、法定控除・任意控除の区別をつけて項目ごとに記載することが重要です。


よくある不備・注意点

賃金台帳について、実務では以下のような不備が見られます:

給与明細だけでは法定帳簿の要件を満たしていない場合もあります。
必ず、労働基準法第108条に基づく記載要件を満たした「賃金台帳」を整備しましょう。


まとめ:賃金台帳は「働かせ方」の証拠である

賃金台帳は、単なる給与の記録ではありません。
その労働者が、どのように働き、どのように賃金が支払われたのかを証明する法的な帳簿です。

これらが重要です。

労務管理システムやクラウド給与ソフトを活用することで、記載ミスや漏れを防ぎ、必要書類を一元管理することが可能です。
当事務所では、賃金台帳の整備支援やシステム導入相談も承っています。気になる点があれば、お気軽にお問い合わせください。

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