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【保存版】算定基礎届の支払基礎日数の数え方とケース別早見表|欠勤や途中入社への対応(2026/7/10)

算定基礎届を作成する際に、実務で迷いやすいのが、「支払基礎日数」と呼ばれる日数の数え方です。4月・5月・6月に支払われた報酬を定時決定の対象に含めるかどうかを判断する重要な項目です。

特に、欠勤控除がある月、途中入社、有給休暇、パート・アルバイト、短時間労働者などは、給与形態や社会保険上の区分によって取扱いが異なります。判断を誤ると、標準報酬月額や社会保険料、各種保険給付に影響する可能性があるため注意が必要です。

この記事では、算定基礎届における支払基礎日数の基本ルールと、給与形態別・ケース別の数え方を、人事・労務担当者向けにわかりやすく解説します。

支払基礎日数とは?支払基礎日数との関係と基本ルール

支払基礎日数とは、各月の報酬を支払う際に、その報酬額の計算の基礎となった日数をいいます。単純な出勤日数ではなく、給与形態や欠勤控除の方法、有給休暇の取得状況などを踏まえて判断します。

社会保険の定時決定では、原則として4月・5月・6月に支払われた報酬をもとに、9月から翌年8月までの標準報酬月額を決定します。ただし、3か月分をすべて単純に平均するのではなく、原則として支払基礎日数が17日以上ある月を算定対象とします。

なお、一定の要件を満たして社会保険に加入している短時間労働者については、17日ではなく11日以上が基準となります。

支払基礎日数は給与形態によって数え方が異なる

支払基礎日数の基本的な考え方は、次のとおりです。

給与形態・ケース支払基礎日数の基本的な考え方
完全月給制原則として、その月の暦日数
欠勤控除がある月給制・日給月給制就業規則や給与規程等で定める給与計算の基礎日数から、欠勤日数を差し引いた日数
日給制報酬の支払いの基礎となった日数
時給制報酬の支払いの基礎となった日数
有給休暇賃金が支払われるため、原則として支払基礎日数に含める

日給制や時給制では、実際の出勤日数だけでなく、年次有給休暇など、出勤していなくても賃金の支払いの基礎となった日が含まれることがあります。

支払基礎日数を確認する主な場面

支払基礎日数は、主に次の手続きで確認が必要です。

算定基礎届では、一般の被保険者は原則として支払基礎日数が17日以上ある月を対象とします。ただし、短時間就労者や短時間労働者には、それぞれ異なる取扱いがあります。

支払基礎日数の数え方|給与形態別の早見表

月給者は原則として暦日数で数える

欠勤による減額がない完全月給制の従業員は、原則として各月の暦日数を支払基礎日数とします。

対象月暦日数
4月30日
5月31日
6月30日

土曜日、日曜日、祝日などの会社休日も暦日数に含まれます。

ただし、月給者であっても、欠勤日数に応じて給与が控除される場合は、単純に暦日数を記入するとは限りません。就業規則や給与規程等で定められた給与計算の基礎日数から、欠勤日数を差し引いて算出します。

日給制・時給制は報酬の支払いの基礎となった日数で数える

日給制・時給制の場合は、報酬の支払いの基礎となった日数を支払基礎日数として数えます。

通常の出勤日に加えて、年次有給休暇を取得し、その日について賃金が支払われている場合は、有給休暇の日も支払基礎日数に含めます。

一方、出勤していない土日や会社休日など、賃金の支払いの基礎となっていない日は、原則として支払基礎日数には含めません。

パート・アルバイトは加入区分を確認する

パート・アルバイトだからといって、必ず11日以上の基準が適用されるわけではありません。

社会保険上の取扱いは、主に次の区分によって異なります。

区分主な対象定時決定の基準
一般の被保険者通常の労働者の所定労働時間・所定労働日数のおおむね4分の3以上勤務する方など原則として17日以上の月
短時間就労者パート、アルバイト、契約社員、準社員、嘱託社員など、正規社員より短い労働条件で勤務する被保険者まず17日以上の月を対象とし、3か月とも17日未満の場合は15日以上17日未満の月を対象とする
短時間労働者特定適用事業所等で、週20時間以上、所定内賃金月額8.8万円以上、学生ではないことなどの要件を満たして加入する方11日以上の月

名称や雇用形態だけで判断せず、資格取得時にどの区分で社会保険に加入しているかを確認することが重要です。

支払基礎日数が17日未満の場合の取扱い

一般の被保険者は17日以上の月だけで算定する

一般の被保険者については、原則として、4月・5月・6月のうち支払基礎日数が17日以上ある月だけを算定対象とします。

4月・5月・6月の状況算定方法
3か月とも17日以上3か月の報酬総額を3で除して算定
2か月が17日以上17日以上ある2か月の報酬総額を2で除して算定
1か月のみ17日以上17日以上ある1か月の報酬額で算定
3か月とも17日未満原則として従前の標準報酬月額で決定

3か月とも17日未満の場合は、原則として従前の標準報酬月額で決定されます。ただし、一時帰休、年間平均による保険者算定など、個別の事情に応じて別の取扱いとなる場合があります。

短時間就労者は15日以上17日未満の月も対象になることがある

短時間就労者は、次の順序で算定対象月を判断します。

  1. 4月・5月・6月のうち、支払基礎日数が17日以上ある月が1か月以上ある場合は、17日以上ある月だけで平均する
  2. 3か月とも17日未満の場合は、15日以上17日未満の月だけで平均する
  3. 3か月とも15日未満の場合は、原則として従前の標準報酬月額で決定する

たとえば、支払基礎日数が4月16日、5月14日、6月15日だった場合は、15日以上17日未満である4月と6月の報酬を平均して算定します。

短時間労働者は11日以上の月を対象にする

特定適用事業所、任意特定適用事業所または国・地方公共団体に属する事業所で、一定の要件を満たして社会保険に加入している短時間労働者は、支払基礎日数が11日以上ある月を算定対象とします。

4月・5月・6月の状況算定方法
3か月とも11日以上3か月の報酬平均で算定
1か月または2か月が11日以上11日以上ある月だけで平均して算定
3か月とも11日未満原則として従前の標準報酬月額で決定

なお、定時決定に12日基準はありません。11日基準と、短時間就労者に適用される15日以上17日未満の取扱いを混同しないよう注意しましょう。

欠勤・有給・特別休暇・産休・育児休業・休職がある月

欠勤控除がある場合の支払基礎日数

欠勤がある月は、給与形態と実際の給与計算方法を確認して判断します。

完全月給制で欠勤控除が行われない場合は、原則として暦日数を支払基礎日数とします。

一方、欠勤日数に応じて給与が控除される月給制や日給月給制では、就業規則や給与規程等で定められた給与計算の基礎日数から、欠勤日数を差し引いて計算します。

たとえば、給与規程上の基礎日数が20日で、欠勤が4日ある場合は、原則として支払基礎日数は16日となります。この場合、一般の被保険者であれば、その月は17日未満のため算定対象から除外されます。

遅刻・早退がある場合

遅刻や早退について時間単位で給与を控除している場合は、通常、直ちに支払基礎日数を減らすものではありません。

ただし、遅刻・早退を一定時間ごとに欠勤1日として扱うなど、給与規程上の日数計算に影響する場合は、実際の給与計算方法に基づいて判断する必要があります。

有給休暇・有給の特別休暇

年次有給休暇を取得した日は、賃金の支払いの基礎となるため、原則として支払基礎日数に含めます。

慶弔休暇などの特別休暇についても、有給で賃金が支払われる場合は、原則として支払基礎日数に含めます。

一方、無給の休暇については、単に「無給だから一律に含めない」と判断するのではなく、月給制か日給・時給制か、欠勤控除がどのように行われているかを確認して判断します。

産前産後休業・育児休業・休職

産前産後休業、育児休業、私傷病休職などにより報酬が支払われていない月や、支払基礎日数が基準に満たない月は、原則として算定対象から除外されます。

ただし、休業開始月や復職月など、月の一部について報酬が支払われている場合は、次の点を確認します。

一時帰休に伴う休業手当が支払われている場合などは、通常の欠勤とは異なる取扱いが必要になることがあります。

途中入社・退職・資格取得者の取扱い

途中入社した月の支払基礎日数

月の途中で入社した場合は、その月の給与計算の基礎となった日数を確認します。

月給者について、月の途中から勤務を開始し、給与が日割りで支給されている場合は、入社日以降の給与計算の基礎となった日数を記入します。

ただし、途中入社月は通常の1か月分の報酬が支払われていないため、支払基礎日数が基準以上であっても、その月の報酬をそのまま平均に含めることが適切でない場合があります。資格取得月や給与の支給状況を確認し、日本年金機構の記入要領に沿って判断する必要があります。

特に、給与の締日と支給日の関係により、入社後の給与が翌月に支払われる場合は、「勤務した月」ではなく「実際に報酬が支払われた月」を基準に確認します。

算定基礎届の提出対象者と提出不要者

算定基礎届の提出対象となるのは、原則として7月1日現在の被保険者および70歳以上被用者です。

ただし、次の方については算定基礎届の提出が不要です。

退職予定者であっても、7月1日現在で被保険者であり、上記の提出不要者に該当しない場合は、算定基礎届の対象となります。

8月・9月の月額変更予定者に関する注意点

固定的賃金の変動により、8月または9月の随時改定が予定されている方については、算定基礎届の提出を省略できる取扱いがあります。

紙の届書で申し出る場合は、報酬月額欄を記入せず、備考欄の「月額変更予定」に丸を付けて提出します。電子申請や電子媒体申請では、その対象者を算定基礎届のデータに含めない取扱いとなります。

その後、随時改定の要件を満たさないことが判明した場合は、速やかに算定基礎届を提出する必要があります。

昇給・降給と月額変更届の関係

昇給・降給、固定的な通勤手当の変更、役職手当の新設・廃止、基本給体系の変更など、固定的賃金に変動があった場合は、算定基礎届だけでなく、月額変更届による随時改定の対象になるかを確認します。

随時改定は、原則として次の要件をすべて満たした場合に行われます。

短時間労働者については、支払基礎日数11日以上が基準となります。

7月改定の月額変更届に該当する方は、算定基礎届による定時決定の対象外です。8月または9月改定予定者についても、前述の「月額変更予定」の取扱いを確認しましょう。

算定基礎届の記入方法とケース別早見表

算定基礎届に記入する主な項目

算定基礎届には、4月・5月・6月に支払われた報酬について、主に次の項目を記入します。

報酬には、基本給だけでなく、残業手当、通勤手当、役職手当、家族手当、住宅手当など、労働の対償として継続的に支払われるものが含まれます。

ケース別の支払基礎日数早見表

ケース支払基礎日数の考え方注意点
完全月給制で欠勤なし暦日数4月30日、5月31日、6月30日など
月給制で欠勤控除あり給与規程等の基礎日数から欠勤日数を控除実際の欠勤控除の計算方法を確認する
日給・時給制報酬の支払いの基礎となった日数有給休暇などの賃金支給日を含める
一般の被保険者で15日15日17日未満のため原則として算定対象外
短時間就労者で15日15日3か月とも17日未満の場合は算定対象となる可能性がある
短時間労働者で11日11日算定対象月となる
年次有給休暇取得有給休暇の日を含める賃金の支払いの基礎となっていることを確認する
無給休職給与形態と欠勤控除方法により判断報酬がない月や基準日数未満の月は原則として算定対象外
月途中入社で日割り支給給与計算の基礎となった日数通常の1か月分の報酬ではないため、算定対象月の判断に注意する

備考欄で確認したい項目

通常と異なる事情がある場合は、備考欄の該当項目を確認します。

届書の様式や備考欄の項目は年度によって変更される可能性があるため、提出年度のガイドブックを確認しましょう。

算定基礎届の提出前チェック

提出前には、次の点を確認しましょう。

給与計算・勤怠データから算定基礎届を作成する流れ

準備しておきたい資料

算定基礎届を正確に作成するためには、次の資料を準備しておくと確認がスムーズです。

作成から提出までの基本的な流れ

  1. 7月1日現在の被保険者と70歳以上被用者を確認する
  2. 提出不要者を確認する
  3. 4月・5月・6月に支払った報酬を集計する
  4. 各月の支払基礎日数を確認する
  5. 一般の被保険者、短時間就労者、短時間労働者の区分を確認する
  6. 算定対象月を決定する
  7. 固定的賃金の変動と月額変更届の対象者を確認する
  8. 遡及支給、休職、一時帰休、年間平均などの特別な事情を確認する
  9. 算定基礎届を作成して提出前チェックを行う
  10. 電子申請、電子媒体、郵送または窓口持参により提出する

給与計算ソフトや人事労務システムを利用している場合でも、自動集計された日数や報酬額が必ず正しいとは限りません。特に、欠勤控除、途中入社、有給休暇、短時間労働者の区分、遡及支給については、元の勤怠データや給与規程と照合することが重要です。

令和8年度の提出期限・提出方法

令和8年度の提出期間

令和8年度の算定基礎届の提出期間は、令和8年7月1日から7月10日までです。令和8年の7月10日は金曜日のため、提出期限は令和8年7月10日です。

算定基礎届の案内や届出用紙は、6月中旬以降、対象事業所へ順次送付されます。6月支給分の給与確定後すぐに作業が必要となる事業所もあるため、勤怠データや昇給情報などを早めに準備しておきましょう。

算定基礎届の提出方法

算定基礎届は、次の方法で提出できます。

電子申請には、事業所向けオンラインサービスやe-Gov等を利用する方法があります。利用する申請方法によって、GビズIDや電子証明書などの準備が必要になる場合があります。

電子媒体申請の場合は、算定基礎届本体のほかに「電子媒体届書総括票」の提出が必要です。

提出後に誤りが見つかった場合

提出後に、支払基礎日数、報酬額、対象者、短時間労働者の区分などの誤りが見つかった場合は、速やかに管轄の年金事務所または事務センターへ確認し、訂正手続きを行います。

誤った標準報酬月額で決定されると、健康保険料・厚生年金保険料だけでなく、将来の年金額や、傷病手当金・出産手当金などの保険給付に影響する可能性があります。

支払基礎日数の数え方でよくある質問

月給者は土日や祝日も含めますか?

欠勤控除のない完全月給制の場合は、原則として暦日数で数えるため、土日や祝日も支払基礎日数に含めます。

欠勤控除がある月給制や日給月給制の場合は、給与規程等で定められた給与計算の基礎日数から欠勤日数を差し引いて判断します。

日給者・時給者は出勤していない休日を含めますか?

日給制・時給制の場合、賃金の支払いの基礎となっていない休日は、原則として支払基礎日数に含めません。

ただし、年次有給休暇など、その日について賃金が支払われる場合は、出勤していなくても支払基礎日数に含めます。

残業代や通勤手当は算定基礎届に含めますか?

残業手当や通勤手当は、原則として算定基礎届の報酬に含めます。このほか、役職手当、家族手当、住宅手当など、労働の対償として継続的に支払われるものも報酬に含まれます。

通勤手当を3か月分や6か月分まとめて支給している場合は、対象月数で按分した額を各月の報酬に含めます。

賞与は算定基礎届に含めますか?

年3回以下支給される賞与は、原則として算定基礎届の報酬月額には含めず、賞与支払届の対象となります。

一方、年間を通じて4回以上支給される賞与は、社会保険上、原則として報酬として取り扱われます。その場合は、年間の賞与額を12で除した額を各月の報酬に加えるなど、通常の賞与とは異なる取扱いが必要です。

4月に勤務した給与が5月に支払われる場合は、どの月に記入しますか?

算定基礎届は、勤務月ではなく報酬の支給月を基準に記入します。

たとえば、4月勤務分の給与を5月に支払う場合、その給与は5月欄に記入します。支払基礎日数についても、5月に支払った給与の計算の基礎となった日数を記入します。

まとめ|支払基礎日数は給与形態と加入区分を確認して判断

一般に「算定基礎日数」と呼ばれる日数の正式名称は「支払基礎日数」です。単に出勤日数を数えるのではなく、給与形態、給与規程、欠勤控除、有給休暇、途中入社、社会保険上の加入区分などを踏まえて判断します。

特に注意したいポイントは、次のとおりです。

算定基礎届の内容に誤りがあると、社会保険料や将来の年金額、傷病手当金・出産手当金などの給付額に影響する可能性があります。

「支払基礎日数の数え方がわからない」「途中入社や欠勤控除の取扱いに迷っている」「短時間労働者の11日基準を正しく判定できているか不安」という場合は、提出前に年金事務所や社会保険労務士へ確認しましょう。

算定基礎届・社会保険手続きでお困りの事業所様へ

綾部事務所では、算定基礎届や月額変更届の作成、社会保険の取得・喪失手続き、給与計算の確認など、事業所様の実務に即したサポートを行っています。

欠勤控除、途中入社、短時間労働者、休職・育児休業、遡及支給など、判断に迷うケースがある場合は、お気軽にご相談ください。

参考文献

※本記事は令和8年7月時点の法令および日本年金機構の公表資料をもとに作成しています。個別の給与体系や勤務状況によって取扱いが異なる場合があるため、実際の手続きにあたっては、最新の資料をご確認ください。

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