【健康保険被扶養者】150万ルール新設!19〜23歳未満の扶養条件(2025/7/31)

こんにちは、綾部事務所スタッフの杉本です。
アルバイトに励む大学生のお子様が「年収130万を超えそう」と言い出し、慌てて検索した……そんなご家庭や総務ご担当者様も多いのではないでしょうか。今回の税制改正に伴い、150万が19歳以上23歳未満の被扶養者認定ラインとして新設されました。以前の「130万円ルール」とどう違うのかまとめて解説します。
150万と従来の130万円の違い
まず基本を整理します。健康保険の被扶養者認定は「年間収入130万円未満」が原則でした。ところが令和7年7月4日の厚労省通知で、19歳以上23歳未満に限り上限が150万未満へ引上げられ、10月1日から適用されます。
例えば、健康保険の被扶養者であるために、お子様がアルバイトで月10万円を目安に年収130万未満稼いでいるとします。しかし10月1日以降は、月12万円を目安に年収150万円未満になるよう働くことができます。
150万適用の対象となる学生・フリーター
対象は19歳以上23歳未満(22歳まで)で、被保険者の配偶者を除く家族です。学生か社会人かは問いません。自宅通いのお子様も、実家から離れて別居しているお子様も対象です。(別居の場合は仕送り証明等が必要)
・同一世帯か否かで判定手順が変わる
・被保険者の年収1/2未満など他要件は据え置き
・船員保険にも準用
フリーターであっても年収が150万未満なら、生活実態などを総合勘案し被扶養者に該当する可能性があります。
150万で注意すべき就業調整の落とし穴
「150万円までバイトを増やせる」と安心すると、社会保険だけでなく雇用保険や住民税の負担増を見落としがちです。また、10月1日以前に年収見込みが130万円を超えると、原則として従来基準が適用されます。年度途中で基準が変わるため、月収管理は気を付けなければいけません。
会社側も10月以降は、19歳から22歳のアルバイトにもっと働いてもらえる!と思っていると、最低賃金の改定もあるため労働時間は思ったほど増やせないかもしれません。
【まとめ】
いままで若年層が「扶養から外れたくないから週◯時間までしか働かない」という就業調整をしていたところ、150万ライン導入で学生アルバイトの働き方は変わってきます。条件判定に迷うときは、綾部事務所に一度ご相談ください。お問い合わせはこちら
【参考】
19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について(令和7年7月4日保発0704第1号・年管発0704第1号)