社員が辞めない会社に共通する“制度”って? ――企業型DCが定着率アップにつながる理由(2025/7/30)

企業の人材戦略において、ここ数年で特に課題として挙げられるのが、“人が定着しない”問題です。
「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう」
「長く働いてくれる人がいない」
そんなお悩み、経営者であれば一度は経験されているのではないでしょうか。
そしてこの課題、給与や仕事の内容だけでは解決できない時代になってきています。
今回は、そうした“人が辞めない会社”が導入している共通の制度、
**企業型確定拠出年金(企業型DC)**に注目してみましょう。
■なぜ人が辞めるのか? 〜“安心感”の欠如〜
退職理由の上位に、常にランクインしているのが
「将来に不安を感じた」「会社に将来性を感じない」という項目です。
つまり、今の職場に「この先ずっといて大丈夫かな」と思った瞬間に、
“転職の種”が心の中に芽生えてしまうのです。
給与が多少高くても、会社に愛着があっても、
「このままで本当に大丈夫だろうか?」という将来不安があると、人は動きます。
■企業型DCが“安心感”を生む仕組みとは?
企業型DCは、従業員のために会社が老後資産の積み立てを支援する制度です。
制度上、以下のような特徴があります:
- 会社が毎月掛金を拠出し、従業員個人が年金資産として積み立てる
- マッチング拠出(従業員が自分でも上乗せ可能)も併用可能
- 投資信託や元本確保型商品を自分で選べる
- 原則60歳まで引き出せない=将来資金として確実に残る
つまり、“会社が自分の将来を考えてくれている”という明確なメッセージになるのです。
とくに20〜40代の社員は、国の年金制度だけに頼れないと感じている世代。
そこに企業型DCのような制度があると、「この会社は先のことまでちゃんと考えてくれている」と安心感を抱きます。
■事例紹介:DC導入で離職率が改善したA社の場合
ある製造業の中堅企業A社では、20代〜30代の若手社員の離職率が高く悩まれていました。
待遇や教育制度は業界平均以上、にもかかわらず、3年以内離職が40%を超えていたのです。
そこで社長が決断したのが、企業型DCの導入。
- 社員への説明会を実施し、「将来のための貯蓄を会社が応援する制度」と紹介
- 全社員に月1万円を拠出
- マッチング拠出もOKにし、自己積立できるよう選択肢を用意
結果として、導入から1年で若手社員の退職がほぼゼロに。
「この制度があることで、会社を信用できるようになった」とアンケートに答えた社員もいました。
■心理的効果は“制度そのもの”よりも“導入の姿勢”
面白いのは、実際の拠出額よりも「導入されたこと」の方が社員の印象に残っている点です。
つまり、
- 会社が自分たちの未来に投資してくれる
- 将来を見据えた制度がある
- 長く働くことに価値を見出せる環境だ
といった、「見えないけれど、感じられる安心」が信頼を育てているのです。
これは単なる制度導入を超えた、社内文化・価値観のメッセージだと言えます。
■制度の“お金以上の効果”に注目を
企業型DCの導入によって得られるのは、何も“資産形成の支援”だけではありません。
- 経営者と社員の信頼関係
- 経営理念の浸透
- 採用ブランディング(求人票に「退職金制度あり」と記載できる)
- 離職防止と定着率向上
- 社員の金融リテラシー向上
特に“将来の安心を与える”という価値は、数字以上に大きな意味を持ちます。
■まとめ:安心感が定着力を生む。制度が信頼を築く。
いま、従業員が会社に求めるのは
「すぐにお金になる制度」だけではなく、
「自分の将来を一緒に考えてくれる姿勢」です。
企業型DCは、まさにその姿勢をカタチにする仕組み。
「制度」としての強さだけでなく、「想い」を伝えるツールとしても力を発揮します。
社員が辞めない会社には、共通して“安心”がある。
そしてその“安心”は、制度と対話でつくるものなのです。
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