ハラスメント対策は“義務”の時代へ~法律の概要と、研修をしている会社・していない会社の決定的な差~(2026/2/19)
こんにちは、社会保険労務士の綾部です。
近年、ハラスメントに関する相談・紛争は確実に増えています。
「うちは大丈夫」「そんな大げさな話ではない」と思っていた企業が、突然の労基署対応や訴訟、SNS炎上に直面するケースも少なくありません。
いまやハラスメント対策は“努力義務”ではなく、法律上の義務です。
本日は、法律の概要と、研修を実施している会社としていない会社のリスクの違いについて解説します。
■ハラスメント対策は法律で義務化されている
現在、企業に義務付けられている主なハラスメント対策は以下のとおりです。
① パワーハラスメント(労働施策総合推進法)
2022年4月より中小企業も義務化。
職場における優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものが対象です。
② セクシュアルハラスメント(男女雇用機会均等法)
③ マタニティハラスメント(育児・介護休業法等)
企業は以下の措置を講じる必要があります:
- ・方針の明確化と周知
- ・相談窓口の設置
- ・迅速かつ適切な事後対応
- ・プライバシー保護
- ・不利益取扱いの禁止
つまり、「何か起きたら考える」ではなく、“事前に体制を整えておくこと”が法的義務なのです。
■ハラスメント研修をしていない会社のリスク
では、具体的に何がリスクなのでしょうか。
① 「予防措置を講じていない」と判断される
万が一、裁判や労働局のあっせんに発展した場合、会社が問われるのは
「適切な予防措置を講じていたか」
です。
研修未実施の場合、
- ・周知不足
- ・管理職の理解不足
- ・会社の指導体制不十分
と判断され、会社の責任が重くなる可能性があります。
② 損害賠償額が増える可能性
裁判例では、「企業の安全配慮義務違反」が認定されると、
数百万円単位の損害賠償が命じられることもあります。
研修や対策が行われていない場合、
「予見可能だった」「防止できた」と判断されやすくなります。
③ 労基署・労働局からの是正指導
ハラスメント相談が労働局へ持ち込まれた場合、
- ・体制整備の有無
- ・相談窓口の実効性
- ・社内研修実施状況
などが確認されます。
対策不十分と判断されると、是正指導の対象になります。
④ 採用・定着への悪影響
いまの時代、若い世代は「心理的安全性」を重視します。
ハラスメントが放置されている会社は、
- ・口コミサイトで拡散
- ・SNSで炎上
- ・採用難
- ・一斉退職
といった経営リスクにも直結します。
■研修を実施している会社の強み
一方で、ハラスメント研修を実施している会社はどうでしょうか。
① 「予防措置を講じている」証拠になる
- ・研修資料
- ・出席記録
- ・社内周知文書
これらは、万が一の際に
「会社として対策を講じていた」という重要な証拠になります。
② 管理職の判断力が上がる
多くの問題は、「悪意」ではなく「無知」から生まれます。
- ・これって指導?パワハラ?
- ・冗談のつもりだった
- ・昔は普通だった
こうした認識のズレを防ぐのが研修です。
③ 早期発見・早期解決ができる
研修を通じて
- ・相談しやすい雰囲気
- ・問題の芽の早期摘み取り
結果として、大きなトラブルを未然に防げます。
■これからは「カスハラ対策」も重要に
近年は顧客からのハラスメント(カスタマーハラスメント)対策も法改正により義務化の流れが進んでいます。
従業員を守る体制を整えていない企業は、
安全配慮義務違反を問われる可能性があります。
■まとめ:ハラスメント対策はコストではなく経営投資
ハラスメント対策は、
「問題が起きた後の対応」ではなく
「起こさないための経営戦略」です。
研修をしていない会社は、
- ・法的リスク
- ・金銭的リスク
- ・reputationalリスク
- ・採用リスク
を抱えています。
一方、研修を継続的に行っている会社は、
- ・トラブル予防
- ・企業価値向上
- ・定着率向上
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